インスリン依存と非依存ってご存じですか。
以前ホームページに載せました、インスリンが必要かどうかのお話です。
大学病院や市中の総合病院に勤めていたころ、研修医の先生が毎月回ってきてくれていました。その研修医にはまずは講義をして、その後研修を開始していただくことがルーティンでしたが、その講義では【インスリン依存、非依存ってしっているか?】研修医に質問するのが常でした。
10年以上研修医に講義をしていても、【インスリン依存=インスリンがないと高血糖になってしまう】と答える研修医が主で、正確に答えられたのは50人に2-3人であったように思います。
本当は、【インスリン依存=インスリンがないとケトン体が産生されてしまい、糖尿病ケトアシドーシスになって入院、あるいは命の危険になる】というものが正解です。
1型糖尿病では【膵臓自体を自分の免疫が攻撃してしまい(自己免疫)、インスリンが全くでなくなる病態】です。インスリンが全くでないと、脂肪分解が促進、つまりは脂肪が勝手に燃えていってしまいます。脂肪が燃えるとケトン体という使いやすい栄養のカタチに変化するのですが、ケトン体は酸性の物質であり、たまりすぎると体が酸性になってしまい、命の危険になってしまいます。だから、1型糖尿病の患者様はインスリン投与が不可欠になるのです。
当院ではインスリン依存・非依存をチェックし、またインスリンが相対的に足りているのか足りていないのかをチェックし、治療法に反映させていきます。
ご自身の体が今どのような状態なのか、しっかり把握して治療を受けるのと
把握せずに疑問を持ちながら治療を受けるのではお薬の大事さもあいまいになりかねません。
是非とも、しっかりとご自分の【体のこえ】を聞いてあげてください。
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